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>第10回 高次脳機能障害

4.検査・診断に時間がかかる障害

脳に損傷を受けても、すぐに自覚できない

ごく近年まで、高次脳機能障害はその症状を観察し、研究するしか術がなかった。しかし最近は、MRI(magnetic resonance imaging: 核磁気共鳴画像法)、体内の内部の情報を画像化する方法によって、脳損傷がどこにあり、どの程度の損傷なのかが明らかになった。例えば、失語症は大脳の左半球の損傷によるといったことがわかっている。

こうした分析に基づいて、高次脳機能障害の研究は進みつつあり、診断も行われるようになった。また、診断に基づいた医学的なリハビリテーション、職場復帰へのリハビリテーションも行われている。

しかし、高次脳機能障害を持っているのに、MRI検査を行い、医師からの診断を受けていない人が多いのが現状だ。MRI検査による診断が行われるようになったのが、ごく最近であること、また、本人の自覚が難しく、周囲も「まだ、ケガや病気が全快していないだけ」と考え、障害があることに気付きにくいことが原因だ。脳損傷を起こしてから、2~3年後に検査を受ける人が多いという。中には、子どもの頃に交通事故で脳に外傷を負ったのに十数年も高次脳機能障害であることに気づかず、診断を受けないままに生活してきた人もいる。

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