発達障害者が困難なのは、自分も周囲も発達障害であることに気付いていない、あるいは気付く時期が遅いことにある。これまでは、知的障害を伴わない人の場合はもちろんのこと、知的障害を伴う人の場合も自閉症や学習障害が重複していると診断されずに、青年期を迎える人が多かった。現在は、国が発達障害の早期発見・早期支援に向けた取組みのひとつとして、1歳6ヶ月及び3歳児を対象とした健康健診での発達障害の早期発見に留意するよう指導している。
自閉症スペクトラム:集団行動が苦手なために、学校でいじめの標的となることも少なくない。また、青年期以降も、いじめられた経験を思い出してパニックを起こしたりすることもある。話が通じにくい、場違いな言動や周りとズレた言動があると見られがちで、結果、集団から浮いた存在として疎まれてしまう傾向がある。青年期になると、自分について、他の人の視点から見ることが困難なため、自分は他の人たちとどこか違っているところがあると深く悩むようになる。
学習障害:本人が自分の障害を認識できない、受容できないというケースがよくみられる。それにもかかわらず、学校や職場で何度も同じ質問をして怒られたり、本が読めないなどとバカにされたりすることもあり、ストレスを感じながら過ごしていることが多い。
注意欠陥多動性障害:落ち着きがない、人の話を最後まで聞かない、書類・時間・情報の管理が苦手、不注意によるケアレスミスが多い、待つことが苦手で先を考えずに行動する傾向にある。こうしたことは、普通の人でも多かれ少なかれ見られる特徴だが、個性の範疇から障害と呼ぶべきレベルまで連続性のある状態になっても、本人も周囲も見逃すことがある。そのため、青年期になると、「なぜ、自分はミスが多いのか」と悩む人もいる。職場では自信を失い、転職を繰り返すケースもある。
発達障害は見えにくい障害であるために、人によっては子ども時代にいじめや虐待の対象となるなど、家庭や学校、職場での無理解や不適切な対応が要因となり、心的外傷後ストレス障害「PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)」になることもある。さらに、うつ病や強迫性障害などの2次障害を引き起こしている人も多くいる。

