発達障害については基本的な点に関しても、まだ十分に把握されていない状態である。例えば、日本に発達障害者が何人いるのか。その全国的な調査はこれまで行われていないため、人数は明らかではない。
一般には、発達障害者は人口の1%程度と考えられてきた。しかし、文部科学省は「特別な支援を必要とする児童生徒は6%以上いる」という推計値を出している。この児童生徒がすべて発達障害とは限らないが、かなりの割合は発達障害の可能性があるという。つまり、ここ数年で5倍以上に増えたことになる。こうした混乱は、専門医による診断基準にばらつきがあったり、診断の表現にあいまいさがあるために起こっている。このように、発達障害はまだまだ専門家の調査・研究が必要な分野なのである。
発達障害そのものを対象とした障害者手帳は交付されない。ただし、身体・知的・精神の障害いずれかを重複している発達障害者の人は、身体・知的・精神各々の障害者手帳を取得している。また、「発達障害者支援法」の施行により、サポート体制の整備が始まっている。そのひとつが「発達障害者支援センター」で、発達障害者の相談やサポートを専門的に行っており、対象は乳幼児から成人までと幅広い。
雇用支援に関しては、「長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難」であると認められる発達障害者は、障害者雇用促進法上の障害者として雇用支援施策の対象になっている。

