ページの先頭です。

3つのスキップメニューです。
このページの本文へ
メインメニューへ
ホームへ

>第2回 聴覚障害

5.聴覚障害者が言葉を学ぶということ

言語の習得には聴覚が密接に関わっている

人間が言葉を習得するとき、聴覚は想像以上に大切な役割を果たしている。 たとえば、赤ん坊が「ママ」という言葉を母親のことだと認識するには、およそ6000回のやりとりが必要といわれている。人間は「見て、聞く」という行為を繰り返して、言葉とその意味を身につけていく。

聴覚に障害があると、音声情報と視覚情報を一致させることが難しいため、言葉の習得が遅れがちだ。聴覚障害があると、目の前にある物の役割や特徴は理解できても、それを指し示す名称を覚えるのに努力を要する。音声言語の概念を習得する2~3歳の時期までに聞こえなくなった場合には、言葉を獲得するのに大変な困難を伴うといわれている。

このように、聴覚と言葉の習得は密接な関係にあるため、聴覚に障害がある場合は、言葉を学ぶための特別な機会を設けることが必要とされる。

聴覚障害者が言葉を習得するとき、もっとも難しいのが助詞の「てにをは」だといわれる。先に述べた日本手話では、「私」「学校」「行く」という3つの単語の繋ぎあわせで表現が成立する。この助詞の活用は、口話法を覚えたとしてもなかなか理解が難しく、聴覚障害者の児童は「私を、学校は、行く」のように誤った文法で話してしまう場合がある。

聴覚障害特別支援学校では、手話、指文字、口話法など、いくつかのコミュニケーション方法を併用して教育指導を行っているところが多く、日本語の力を養うことに力を注いでいる。

取材協力/鈴木茂樹(東京都立中央ろう学校校長)、伴 亨夫(東京都立大塚ろう学校校長)

次のページへ