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障害者が働きやすい環境づくり「職場改善」好事例集

知的障害者に対する先入観を打ち破った
意識改革とシステム開発

独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構「知的障害者のための障害者雇用職場改善に関する好事例集」平成19年度最優秀賞受賞

初めての知的障害者雇用からたった2年でグループ企業全体から「利益貢献」を高く評価された特例子会社。ひとりひとりの特性を理解し、仕事の中で能力を発揮してもらうことを基本理念に、障害者が安心して一生働ける職場環境づくりを目指す。

大東コーポレートサービス株式会社
平成17年5月、大東建託株式会社の子会社として誕生。翌年3月、大東建託のグループ企業である大東建物管理株式会社、ハウスコム株式会社、ケアパートナー株式会社の3社により特例子会社のグループ認定を受ける。

業務内容:主に親会社と関係会社からの事務作業を中心に、機密文書処理、本支店間のメール仕訳作業、郵便・宅配小荷物などの受渡し、名刺作成、文書管理とデータベース化などを行なう。

従業員:36名、うち障害者数26名(平成19年7月1日現在)
内訳:知的障害者13名(うち重度2名)、視覚障害者1名、聴覚障害者3名、肢体不自由者6名(うち重度2名)、精神障害者3名

職場改善のポイント

本社への徹底ヒアリングで業務を洗い出す

「知的障害者には単純作業しかできない」という先入観を打ち破るため、社長が先頭に立って本社各部門へヒアリングやアンケートを実施。これまでアウトソーシングをしていたり、社員が残業して行なっていた業務を見直してもらい、受注につなげた。

この「広報・営業」活動によって業務委託が会社全体の効率化や経費削減につながるとの認識が生まれた。

簡単にできて効率もアップする「方法」の開発

廃棄文書処理には、本社各部門での回収から最終工程のシュレッダー処理に至るまで、作業手順を工夫。手順をまとめた「作業カード」を配布。回収文書を用紙のサイズ別に区分、判断がつかないものは「わからないボックス」に入れるなどし、仕分け段階でのスピードを格段に上げた。


支店名カルタでの練習風景

遊び心を加えた「カルタ練習」が意欲を刺激

メールや郵便物の仕分けや受発信では、全国188支店への投函作業をミスなく行なうため、「支店名カルタ」をつくり練習。文字を映像的にとらえる効果が上がり、3カ月でスタッフ全員が支店名をフリガナなしで判別できるようになった。

その後も「速読競争」などを継続して行ない、タイムの伸び率による評価も実施。社員の業務に対する好奇心と向上心が上がった。作業後の再チェックで「うっかりミス」を防ぐこともできた。

異なる障害をもつスタッフをうまく組み合わせて、作業能力アップ

知的障害者と身体障害者がそれぞれの能力によって担当できる仕事を組み合わせる。これにより、より質の高い業務を請け負うことが可能となった。

人事・総務文書の管理業務では、書類を預かり、スキャニングや書類のセットを確認、送付までの一連の業務を請け負っている。名刺作成は、データ入力、紙面構成、印刷・製本・発送までを一貫して作業。本社には受注の当日、支店には翌日の納品を実現。経費削減、早い納品、作成枚数の多さといった3つのメリットを本社から高く評価された。


領収書の発送の様子

「信頼の獲得」で、より高度な業務へ

本社からの信頼を得た結果、より高度な業務を受注できるようになった。そのひとつが領収書と給与明細の発送である。

複写式でページごとに固有のナンバリングがされている6種類の領収書は、①冊数を確認し、封筒に宛先を記入、②ナンバリングされている数字と冊数の確認作業、③封入・梱包。この流れ作業のシステムをつくった。給与明細の発送は、支店ごとの仕分け・封入・梱包・発送を知的障害の社員が担当。個人情報を扱う上、ミスが許されない作業だが、大東建託8200人、関係会社3000人分の発送を処理している。


仕事のレベルを3段階に
区分した業務案の例

特別扱いではなく「戦力」と認定される

当初から取り組んでいたのは、「障害者の社員が増えても、一定の仕事量が確保できる組織づくり」。仕事のレベルを3段階に区分(図参照)し、大東コーポレートサービスへの業務委託を具体的に提案。経費削減・効率アップをアピールし、大東コーポレートサービスへの業務委託が、グループ全体の利益貢献につながるという意識が共有された。

それに従い、障害者社員の認識が変わり、高度な業務を達成することで意欲も引き出された。とくに名刺作成は、障害者の社員が「受注した翌日には必ずお届けしたい」と自ら発案、驚異的な納品量を達成するに至った。そして「本当に届いた」という本社や関連会社からの高い評価が、社員たちの自信と誇りにつながっている。