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障害者が働きやすい環境づくり「職場改善」好事例集

ネットワークが可能にした在宅雇用で
通勤が困難な障害者の技能を全国から結集

独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構「肢体不自由者のための障害者雇用職場改善に関する好事例集」平成17年度最優秀賞受賞

「企業特性を生かした社会貢献」を目標に、コンピュータネットワークを活用した在宅雇用制度を実施。通勤できない重度の肢体不自由者を全国から雇用し、自宅で安心して働くことができるシステムを構築した。

株式会社沖ワークウェル
平成16年4月設立
沖電気工業株式会社の特例子会社

業務内容:主に親会社およびグループ各社からIT関連の業務を受注。ホームページ制作、ポスターデザイン、名刺制作など。

従業員:50人、うち障害者数40名(平成21年9月現在)
内訳:肢体不自由者32名(うち在宅勤務者 30名)、視覚障害者1名(全盲)、知的障害者 5名、内部障害者2名(うち在宅勤務者 1名)、健常者10名(うち在宅勤務者 1名)

職場改善のポイント

社内ベンチャーから誕生した障害者チーム


発足当時の「OKI ネットワーカーズ」

沖ワークウェル誕生のきっかけとなったのは、沖電気工業の社内ベンチャーだ。「沖電気らしい企業特性を生かした社会貢献活動を」と発足した社会貢献推進室が活動の方向性を模索するため、情報収集するうちに、コンピュータネットワークを活用した在宅雇用の可能性を知る。

優れた技術をもちながら通勤が困難な障害者に、ホームページ制作を依頼。頚椎損傷の重度障害者が、菜ばしを口に加え、健常者も及ばないスピードでパソコン操作を行なう姿に、障害者に対する認識を一新。これを機に重度障害者在宅雇用を社内ベンチャーとして提案、現在につながる「OKIネットワーカーズ」が発足した。

在宅技術者集団をまとめるコーディネーターの存在

最初の課題は、在宅勤務者ひとりにひとり分の仕事をコンスタントに確保することだった。IT関連業務には繁閑の差が大きかったため、複数のクライアントからの仕事を複数の障害者が受注し、調整する形で平準化を図った。その調整を行うコーディネーター役を置いた。

発注者との打ち合わせ、在宅勤務者への作業の割り振り、品質・納期チェック、納品作業など、事業全体をコーディネーターが管理することで、在宅勤務者に負担をかけないシステムを構築。後に在宅勤務者の中からリーダー的な存在が現れ、彼らがディレクターとして在宅勤務者間の調整を行なう体制に進化し、組織運営はさらに円滑になった。

ひとりひとりの状況に配慮した労働時間

在宅勤務者の雇用形態は1年を期限とし更新する契約社員。勤務時間は原則10時から17時までの1日6時間だが、それぞれの障害や介護の状況に配慮し、各自自由に契約を設定している。勤務時間の管理はタイムカードではなくメール。始業・終業時に、本社だけでなく一緒に作業する仲間に「挨拶メール」を送る。それには、用件以外の雑談なども加え、コミュニケーションの促進となるよう指導している。残業は原則なし。本人の強い希望がある場合は相談して決めるが、本人の判断だけで残業を行なうことは固く禁じている。給与は時給制でボーナスもあり、その評定はコーディネーターが行なっている。

最新ツールを駆使して情報を共有


在宅勤務者からの
業務連絡写真

業務のための会議・集合教育などは一切行なわない。コーディネーターの訪問もほとんど行なっていない。日常的な業務連絡は、独自に開発した多地点通話システム、メール、イントラネット、グループウェアなどの連絡手段を活用している(平成21年9月現在)。

スキルアップのための教育は、コーディネーターが個別に面談し、個人の特性に合わせたテーマを設定。必要な講習や学習用テキストなどを紹介している。また沖電気の「e-ラーニング」受講者には年間10万円を補助。日常業務にかかわる問題は、グループウェアを構築し、技術のノウハウ、スケジュールの情報、ファイルの共有を進めている。

在宅オフィスの設備と健康管理

業務に使用するパソコンは会社から支給している(平成21年9月現在)。またブロードバンド回線の使用を義務付けると同時に、通信費月額4000円、電気代月額3000円を支給。

健康管理は毎日の日報で、安全衛生管理は月1回の報告書記入で行なっているが、もっとも重視しているのは、毎日のコミュニケーションとそれを支える信頼関係。年に2~3回の懇親会で全国の在宅勤務者が顔を合わせる機会を設けている。