ページの先頭です。

3つのスキップメニューです。
このページの本文へ
メインメニューへ
ホームへ

障害者が働きやすい環境づくり「職場改善」好事例集

画面読み上げソフトと点字プリンターで
視覚障害者の能力をフルに引き出す

独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 「視覚障害者のための障害者雇用職場改善に関する好事例集」 平成16年度最優秀賞受賞

視覚障害者への職場環境改善を高く評価された三菱化学の特例子会社。ハード面では就労支援機器導入、ソフト面では細やかな配慮で、障害者ならではの能力を活かせる環境づくりを実現、グループ外からの仕事の注文も拡大している。

有限会社化成フロンティアサービス
平成5年3月設立
三菱化学株式会社(三菱化成・当時)の特例子会社

業務内容:各種データ入力、ワープロ文書作成、ホームページ作成、印刷などの情報処理、親会社及びグループ会社の事務処理代行、社内便集配、福利厚生施設の管理などの受託業務、安全表示板の作成、その他野菜づくりなど幅広いサービスを行う。

従業員:128名、うち障害者数83名(平成21年10月現在)
内訳:視覚障害者3名(うち重度3名)、聴覚障害者12名(うち重度7名)、肢体不自由者47名(うち重度36名)、
内部障害10名(うち重度7名)、知的障害者11名(うち重度3名)、精神障害者1名

職場改善のポイント


車椅子でも通りやすいオフィス

すべての障害に対応する事務所のレイアウト

情報処理の専門知識をもつ視覚障害者2名の採用を機に、彼らの能力を活かせるよう職場環境を見直した。2名の席はOAセンターの入り口付近に設け、トイレ、更衣室、手洗い、給茶機、エレベーターなど、日常的な移動がなるべく直線的になるよう、他の机や設備の位置を工夫した。

また車椅子使用者と視覚障害者、双方の安全を確保するため、通路は1.5m幅を確保。要所にすべり止めを使用、自動扉の設置を行なった。


読み上げソフトを使用

画面読み上げソフトと点字プリンターを採用

通常のパソコン本体に、視覚障害に対応する機器を導入した。画面読み上げソフトとしてPCトーカーやXPリーダー、高性能ヘッドホンを装備(費用は約15万円)。またパソコンから点字印刷を行なう点字プリンター、点字名刺作成のための印刷機を設置した(費用は2体で約100万円)。

これらの設備によって、会議録音などを文書化するテープ起こし、視覚障害者がアクセスできるホームページの作成、各種点字資料作成、ネット検索による情報収集など、担当業務が拡大した。

公費負担で交差点2カ所に点字ブロックを配置


首からさげる押し
ボタン式の非常通報装置

本社の単身赴任者寮に住む視覚障害者に対しては、防災対策として、近隣の警備会社に依頼し、室内に火災警報センサーと非常連絡設備、首にかけて携帯できる押しボタン式の非常通報装置を用意した。費用は会社負担(設備のリース料込みで月額1万円)。

またJRとバスの乗り継ぎで1時間半かけて通勤する視覚障害者に対しては、安全・健康面を配慮し、混雑した車両への乗車が避けられる、特急列車での定期券を通勤手当として支給。

さらに、通勤途中にある交差点2カ所に、音声対応装置と点字ブロックを設置。これについては所轄警察署への申し入れが受理され、全額公費負担で実施された。

「挨拶の前に名乗る」など、コミュニケーションを工夫

挨拶と声かけは全員が心がけている。とくに視覚障害者に対しては、挨拶や会話の前に必ず名乗るよう留意している。また画面読み上げソフトの導入により、メールの使用が可能となり、社員全員とのコミュニケーションが円滑になった。

職業コンサルタントや生活相談員を配置し、生活面の問題をサポート。また健常者と障害者の心のバリアをどうすれば除けるかをテーマに、チームリーダー以上の従業員25人が月2回勉強会を開催。

こうした配慮の一方、障害者だからと特別扱いはせず「自分でできることは自分でやる」を基本姿勢に、あくまで自立を前提とした対応を心がけている。

ハードとソフトの両面の安全確保

同社では、さまざまな障害を持つ社員64名が働く。そのため新たな設備を導入する際も、一方のメリットが他方のデメリットとならぬよう、職場全体の安全確保に配慮した。

職場のレイアウト変更では、車椅子利用者に対応できるよう1.5m幅の通路を確保、通路には物を置かないよう徹底、視覚障害者には社内を熟知してもらうため十分なオリエンテーションを実施した。

こうした工夫の結果、視覚障害者の2名は社内の構造・配置を熟知。安全確保をハード面・ソフト面で充実させたこともあり、企業として平成15年11月には「無災害90万時間」で表彰された。