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下村健一のクロストーク

Vol.4 日本理化学工業 取材後記

下村健一の取材後記

写真:下村さんと柳沢さん

 鳩山首相の所信表明演説(09年10月26日)でも紹介され、今でこそ障害者雇用の分野でカリスマ的存在の大山泰弘会長ですが、元々は障害者雇用には全く関心が無かったと言います。これは、非常に注目すべきポイントです。
 今もなかなか自社での障害者雇用に踏み切れずにいる多くの雇用主の方々と、大山さんとは、別の種類の人間ではありません! 経営者になった当初から高い問題意識に目覚めていたわけでも、身内に障害者がいて日頃から関心を抱いていたわけでもなく、インタビューにある通り、初めは「卒業生を雇って欲しい」と相談に来た養護学校の先生に「とんでもないですよ」と断っていた人なのです。ということは、今の“カリスマ大山”と“雇えぬ雇用主”とを分けているのは、《初めの1歩》を踏み出したか否かだけなのです。

1歩を踏み出していなかったら…もし養護学校から最初の2人を雇用していなかったら、「日本理化学工業」は小さな町工場で一生終わっていただろう―――という大山会長の述懐は、前回の取材後記の「障害者雇用が企業の浮揚力になる」ことを示した気球のイラストの一番右の状態を、正に裏打ちしています。

 そして、「日本理化学工業」をこのような会社に変えた“化学変化”(文字通り!)の一番最初の一瞬は、ある日、養護学校の先生が「何か、うちの卒業生にも出来る仕事は無いものかなぁ」と思って職員室を見渡して、ふと黒板のチョークに目が止まった瞬間でした。
 今回のインタビューの中で、これは私が一番しびれたエピソードです。実は、プロフィールでも紹介されている「SOS!100円ダイヤル」という在宅募金システムを私が思いついた最初の一瞬も、これとそっくりのものでした。ある日「何か、家にいながら募金が出来る道具は無いものかなぁ」と思って、「水道ではダメ…掃除機ではダメ…下駄箱ではダメ…」と室内を見渡していった時に、ふと電話機に目が止まり、「あ、ダイヤルQ2(当時社会問題化していた自動課金システム)を使えば、お金が集められる!」と気付いたのです。

 新しい事に踏み出す時のきっかけって、かくもさり気なく身近に潜んでいるものなんですよね。職員室のチョークだったり、居間の電話機だったり。貴方の職場にも、きっと《初めの1歩》は隠れていて、発見されるのをじっと待っているに違いありません。

 無論、《初めの1歩》の後には、それを確かなものにする第2、第3歩が必要です。大山さん達には、歩みを進める2つの基本姿勢があったように感じられます。
 1つは、「数字はわからなくても、信号の色はわかる」ことから作業工程を改善したという、あの逸話。そこから今に至るまで続く数々の工程改良に貫かれているのは、「何が出来ないか」ではなく「何が出来るか」に着目する、という姿勢です。「自分のような者でも、こうやって働く場所を提供してくれる会長さんに恩を感じている」―――今回の主人公の柳沢誠さんは、そんな風に謙虚に語りつつ、仕事の説明となると一転して胸を張り、班長として自信満々に話してくれました。その口ぶりには、《「出来る」ということへの誇り、喜び》が滲み出ていました。

 そしてもう1つの基本姿勢は、《ぶれない》ということ。パートさん達との軋轢をはじめ、幾多の困難に直面しても、大山さんは障害者雇用の路線は間違っていないと信じて堅持し続けました。その結果が、現在の「日本理化学工業」の発展です。きれい事をただ唱えているだけの人は、壁に当たるとすぐ挫けます。企業は、儲かってなんぼです。この会社は、そこもしっかと見据え、ぶれずに努力を積み上げて、知的障害者70%の集団が、ちゃんと儲けているのです。 「働くとは、人のために動くことだ」と大山さんは著書『働く幸せ』の中で書かれていますが、それになぞらえて言うならば、「儲けは、信ずる者にもたらされる」ということでしょうか。

人+動=働、信+者=儲

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