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下村健一のクロストーク

Vol.3 きものブレイン 取材後記

下村健一の取材後記

写真:下村さんと さん

 前回(Vol.2)のクロストークで君成田さんが語った「終(つい)の職場」という理想を現実にするには、雇用側は何をすればよいのか? それが、今回の取材の主眼でした。見えてきたのは、「仕事をつくる」という、至極当然の答えでした。

 「仕事」とは、「付加価値を生み出す」ことです。障害者の雇用にあたっても、このATARIMAEの原則を適用し、「この人の適性なら、どんな作業で付加価値を生み出せるだろう」と考案すること。それが、雇用者たる岡元さん夫妻のしている事でした。

 例えば、たとう紙を仕上げる大谷光子さんの「仕事」。私が横からあれこれ尋ね、撮影のカメラが間近に迫る状況の中でも、大谷さんはリボンに付いたわずかな汚れや、間に挟まった髪の毛1本見落とすことなく、確実に取り除いていきました。邪念に左右されず、繰り返しにも飽きず、黙々と作業する彼女のキャラクターは、同い年だけど私などは絶対にかなわない、と断言できます。これが、《適性》の発見。

 そして、インタビューで岡元さんが説明しているように、この仕事が開発されたことによって「きものブレイン」は、たとう紙を四国の産地に発注してから半年も待たされるという不都合から解放され、受け取りを大幅に早められるという成果を得ました。これが、《付加価値》の創出です。

 Vol.2で山中医師が指摘した「《あなたが必要》を言葉で伝える大切さ」には、前提としてまず、そもそも「《あなたが必要》であること」が肝心です。それが確立された結果、「きものブレイン」では、障害者はより深い《真の働き甲斐》を見出し、雇用者もまた《障害者雇用の持続可能性》を獲得していました。

 しかし、一口に「仕事をつくる」と言ったって、そんなに1人1人に適した作業なんて、どうすれば思いつけるんだ?…と、そこで立往生してしまう雇用者も少なくないでしょう。岡元さん夫妻とて、雇用サイドだけの孤軍奮闘では、ここまでうまくは進まなかったと思います。

 ポイントは、社内に設けた「障害者支援委員会」を交代制にして、ほとんどの社員をこの委員経験者にしたこと! これにより、いわば会社全体を障害者雇用の当事者にして、働きやすい職場作りを進めていったわけです。同社でも、初期には「なんで我々が障害者の面倒を見なきゃならないんだ」「ボランティアを募集すればいいじゃないか」といった声が、一般社員から漏れていたそうですが、今やそんな空気はまるで感じられません。《少人数のプロよりも、大勢の素人で》この課題に取り組もうという姿勢が、見事に奏功したようです。

 そんな空気を端的に示すエピソードが、取材中にもありました。動画の中に短時間登場する、勤続17年の男性。あのシーンで彼と私との会話を手話で橋渡ししてくれているのは、用意された通訳者ではなく、たまたまそこにいた彼の部下の女性社員です。彼女は、その上司を心から尊敬している様子でした。「17年も勤めているから尊敬されている」のではなく、「尊敬されるから17年も続いている」のかも知れない……継続雇用実現の秘訣を、そこに垣間見た気がしました。

 岡元副社長のインタビューには、社員の障害者に対して「叱る」「教える」「○○させる」といった言葉遣いがしばしば登場します。“障害者と健常者は対等なんだ”という意識が不自然に強すぎる人は、こういう場面で過度に言葉を選んだりしますから、岡元さんの言い回しを聞くとギョッとして、「この人は、障害者を見下しているのではないか」と勘違いするかもしれません。でも、本当に対等だという見方が身体に染み込んでいるからこそ、岡元さんは雇用した障害者の人達に対し腫れ物に触るような扱いをず、ATARIMAEの《ボスと部下》の間柄の言葉遣いをしているんですね。

※(図の説明は、動画の最後の下村の語りをご覧下さい。)

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