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ATARIMAEクロストーク はたらくちから。

(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント すぎもとあゆみさん ×歌手 いまいえりこさん

Webデザイナーの杉本あゆみさんの職場を訪れたのは、杉本さんと同じく聴覚障害のある息子を持つ今井絵理子さん。娘として、母として、そして働く女性として…。それぞれの思いや責任感を語るうち、元気の湧き出る音楽のように、ふたりの心のハーモニーが響き合う!

すぎもと「自分を高めてくれる。 それが仕事の意義だと思う」

いまい「誇れる姿を示しながら、音楽の素晴らしさを広めたいな」

心を成長させる仕事の経験

写真:パソコンに向かうすぎもとさんと、興味しんしんで画面を覗き込むいまいさん
写真:同僚たちと会議に出席する真剣な表情のすぎもとさん

今井絵理子さん(以下、今井):杉本さんの職場を見学させてもらって、とてもクリエイティブで細かなお仕事をされているなぁと思ったんですけど、昔からWebデザインをやりたかったんですか?

杉本あゆみさん(以下、杉本):私、大学は全然違う分野で動物相手だったんです(笑)。この会社には「プレイステーション」が好きで入社したものの、デザインもWebの知識もなかったので2年間はアシスタントでした。いろんな先輩の仕事を見ているうちに、Webデザインをやりたいと思って。昔から、デジカメで撮った写真を画像編集ソフトで加工して、ハガキをつくって友人にあげたり、何か自分でつくったもので人に喜んでもらうのが好きでしたね。

今井:その2年間、どういう思いで仕事していたんですか? 

杉本:最初は周りが見えなかったというか、肩にスッゴい力が入っていたと思います。たぶん、はたから見たら見苦しいほど(笑)、いっぱい、いっぱい。先輩の役に立ちたい、でも、質問したいけど迷惑もかけたくないから聞けずにいたり…。そんな自分にひとりで葛藤しちゃって、苦しかったりもしました。

今井:聴覚に障害があることで仕事がやりにくいとかはなかったですか?

杉本:人と話す時、1対1なら正面に座って唇の動きを読めますが、何人も集まるようなミーティングも多いんです。でもそういう時も皆さん配慮してくださって、わからなくて聞き返せば何度でも言い直してくれます。周りのサポートも自然で、そういう意味でも、スッゴくいい職場! 人間関係に悩むことなく仕事ができています。ただ、ミーティングとかでディスカッションが白熱しちゃうと、みんな早口になっちゃうので、「あーっ、待って!」って感じですけど(笑)。

今井:うん、ここはホント、あったかい職場だなーって私も感じました。杉本さんは去年、コーポレートサイトのリニューアルを任されて、社長さんにプレゼンしたんですよね? スゴい!

杉本:はい! 緊張しましたぁー(笑)。プレゼンが終わって社長から「がんばってね」って言われて、嬉しいのと緊張が解けたのもあって、涙が出ました。

今井:良かったですねー! アシスタント2年、Webデザイナーで4年、入社当時と気持ちの変化ってありますか?

杉本:ありますねー。最近、ようやく肩の力を抜いて仕事に取り組めるようになりました。今井さんも、「SPEED」の同じ曲でも、以前と今では何か、歌う時の気持ちに変化とかって、あるんですか?

今井:あります、あります! たとえば『White Love』にある「あなたのために生きていきたい」って歌詞とか、14才の頃の私には、わからなかった部分ってあったと思うんですよね。でも、いろんな経験をした中で、今は自分の心にスッと入ってくるんですよ、この歌詞が。

杉本:やっぱり、お子さん、礼夢(らいむ)くんの存在が大きいんですか?

今井:そうですね。仕事にしても、スゴくポジティブに前向きに考えるようになりましたね。息子には、私が仕事する姿を誇れる姿で見せたいし、言葉より行動で示したいから、カッコ良く歌おう!って思うんですよ。

責任感と笑顔が明日の原動力

写真:パソコンに向かうすぎもとさんの肩越しに見えるモナー人形
写真:テレビゲームのコントローラーを手に持つすぎもとさんと、一緒に画面を覗き込むいまいさん

今井:杉本さんと話していると、イキイキ仕事しているなって感じますけど、正直ツラいとか、辞めたいなぁとか思ったことってあります?

杉本:うっ! (周囲を気にして)…あります(笑)。任されたプロジェクトの責任の重さ、プレッシャーで、逃げ出したくなったことがありますね。自分ひとりできるのか不安になって、夜眠れなくなったたことも…。

今井:でもそういう時、がんばろうって思える原動力って何でしょうね?

杉本:うーん、何でしょうねー。責任感、でしょうか? 何ごとも最後までやり遂げなくちゃいけないと思っているので、途中で投げ出したくはないですよね。今井さんの原動力って、何ですか?

今井:音楽が好きっていうのはもちろんあるけど、やっぱり息子の笑顔が原動力ですね。ママが仕事に行くって時、普通は泣くじゃないですか? でも、うちの子は笑顔でチュッチュッってキスして「いってらっしゃーい」って(笑)。後ろ髪を引かれることなく仕事に行けるので、その分、がんばろ!って思えるんですよね。帰ってきた時も笑顔で迎えてくれるから、「がんばってきたよーっ」って。疲れも吹き飛んで、明日の原動力になりますね。杉本さんも小さい頃、笑顔あふれる子でしたか?

杉本:お母さんのこと考えると、いつも笑顔になりますね、今でも(笑)。小さい頃って、親がしてくれたことの意味ってわからないじゃないですか? 今になって母から、毎晩絵日記を描いたり、絵本を読んでくれたりしたことは、耳から覚えることの多い助詞(てにをは)や発音など聴覚障害児教育の訓練だったと知らされて。それに、なるべく褒めて育てていたとかって聞くと、一つ一つに重い意味があったんだなって。感謝ですね。

今井:あー、私も書いていますよ、絵日記!

杉本:あっ、やっぱり! 絵日記って、その日のできごとを客観的な文字や絵で表現するから、生活の中での言葉を覚えたり、ちゃんとした文章になっているかって文法を覚えたり、言語訓練なんですよね。でも、絵日記って本人より、それに付き合う親のほうが大変でしょう?

今井:大丈夫ですよー、親も楽しみながらやっていますから(笑)。

杉本:絵日記を毎晩書いて、それを見ながら聞き取りにくい助詞の発音勉強をしていたのを覚えています。今となっては社会に出た時に困らないようにと、普通に話をさせて、おかしい発音は言えるまで何度も言わせた母親のおかげだなぁと。それが今の仕事につながっているとしか思えませんね。

今井:うん、ホント。杉本さん、聴覚障害があるってわからないほど、会話ができていますもんね。手話は使いますか?

杉本:ほんの少しだけ(笑)。まだ習い始めたばっかりなんです。2年ぐらい前に、初めて同じデフの子たちと友だちになって教えてもらって。私は小学校からずっと普通の学校に通ってて、実はずっと周りにひとりもデフの子がいなかったから、悩みとかも友だちに微妙に言えなくて。デフの友だちができて、初めて自分をさらけ出せた部分ってありますよ。やっぱり、健常者と障害者の両方と接することで、そこから新しい世界が広がる!って実感しています。

今井:ホント、そう! いろんな人に出会って、いろんな人と話して、もっともっといろんな子がたくさんいるよって、息子にも教えたいですね。それが親としての願いですねー。

※「デフ」とは…聴覚障害の英語表現。「deaf」と表記する。

努力を惜しまず、自分に挑戦

職場で同僚と語らうすぎもとさん

今井:でも、こうして話していると、杉本さん、聴覚障害があるって、はためではわかりませんね?

杉本:両耳に、補聴器を付けています。けど、会話はほとんど唇の動きを読んでいます。補聴器を外したら、耳元で大声で叫んでもらって、かすかに聞こえる程度ですね。

今井:息子は今4才なんですけど、お店の店員さんに憧れているみたい(笑)。杉本さんの今後の夢は何ですか?

杉本:私も子どもの頃、いろんな職業に憧れました(笑)。これからはプロジェクトリーダーとしてメンバーをまとめる力も必要になってくるので、そういうスキルと、英語を身につけたいですね。この前、世界中のスタッフが集まるミーティングがあったんですけど、自分の役の立たなさにヘコんじゃって(笑)。今井さんの夢は?

今井:やっぱり、音楽の素晴らしさをたくさんの子どもたちに教えたいですね。音楽で、人のつながりや、少しでも元気になったり、笑顔になったり、勇気やがんばろうって感じてくれたらいいなぁって。家でもたまにギターを弾きながら歌うんですけど、息子が楽しそうにしているのを見て、「ああ、ママは歌っていていいいんだ」って思えるんですよ。最近はおもちゃをマイク代わりにして、私に「歌って」って(笑)。

杉本:かわいいですねー。音楽って、ホント元気出ますよね! 私も自分がつくったサイトで、見てくれる人に何かしら、少しでもいい影響を与えたいなぁ。そうそう、私今まで、スピーカーに耳を押し付けたり、ヘッドフォンでボリューム大きくして音楽を聞いていたんですけど、音が割れちゃうじゃないですか。でも、音楽を聞ける補聴器専用のイヤホンに出合ってから、音楽がキレイにハッキリ聴けるようになったんですよ。礼夢くんにもオススメです。

今井:わぁ! いいな、それ! 私も買おうっと。そういう技術もだけど、Webの世界も日々進化してますよね?

杉本:自分でネットで調べたり、情報誌を読んだり、時々セミナーに参加したりして勉強しています。セミナーには早く行って一番前の席に座るんですよ、講座が終わったら速攻で講師に聞きに行けるから(笑)。

今井:そういう積極的なところがいいですねー。杉本さんにとって、仕事って何ですか?

杉本:自分を高めてくれるツールみたいなものですね。やっぱり1日の大半を仕事で過ごすわけですから、その仕事の質によって、自分を成長させることもできるし、逆に何も成長しないこともありますよね? だから、あえて大変なことをやって、自分を高めるものだと思っています、仕事って。

今井:だからがんばれるんですね、ホント、杉本さんはイキイキしてて、たくましく生きてる!って感じ。

杉本:今井さんこそ! 音楽への想いや、ママとしての気持ちを聞けて良かったです。今井さんの心がけは歌を通して、多くの人に元気と勇気を与えると思います!

すぎもとさんといまいさんに聞いた五つの質問。(初めにすぎもとさん、次にいまいさんが答えます。)

幼い頃の夢は?

すぎもと

婦人警官か、習ってもいないのにバレリーナ(笑)

いまい

歌手! 子どもの頃から、これ一筋ですね


リスペクトしてる人は?

すぎもと

両親

いまい

黒柳徹子さん


好きな言葉は?

すぎもと

「LOVE&FREE」

いまい

「神様が与えてくれた試練だから乗り越えられないはずはない」と「焦らず、比べず、あきらめず」


趣味は?

すぎもと

ダイビング、スノーボード

いまい

音楽


初めての給料、どう使った?

すぎもと

同期の仲間数人と、赤坂見附にある高級焼肉店に行って1万円コースの焼き肉を食べました!

いまい

5才から沖縄でモデルをやっていたので貯金して、11才の時に母と祖母と一緒に「東京ディズニーランド」へ行きました

クロストークを映像で見る

すぎもとさんプロフィール

写真:すぎもとさん

(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント Webデザイナー すぎもとあゆみさん 28才

すぎもと・あゆみ/1980年、静岡県生まれ。生まれた時から聴覚障害があり、母親から口の形から内容を読む口話法を厳しく教育される。大学では応用生命科学を専攻。動物を手なずけることが得意。03年に同社に入社。2年間のアシスタント業務を経て現職に就き、コーポレートサイトの制作・運営、オンラインマニュルやゲームタイトルの公式サイト制作などを担当する。趣味はダイビング。身体障害のあるオールラウンダーなクリエイター。

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ソニー・コンピュータエンタテインメントオフィシャルサイト
http://www.scei.co.jp/

いまいさんプロフィール

写真:いまいさん

歌手 いまいえりこさん 25才

いまい・えりこ/1983年、沖縄県生まれ。12才の時に「SPEED」のメンバーとしてデビューし、数々のヒット曲を連発して大ブレーク。解散後もソロミュージシャンとして活動を続ける。04年10月に長男、礼夢くんを出産し、08年の日本テレビ『24時間テレビ「愛は地球を救う」』で、「SPEED」ミニライブと共に、愛息に聴覚障害があることを公表。同年11月にはファン待望の「SPEED」再結成。09年2月14日には著書『ココロノウタ〜息子と歩んだ4年間、そしてこれから〜』を発表、6月公開予定の映画『ゆずり葉-君もまた次のきみへ-』出演など、幅広く活躍中。

ellyオフィシャルサイト
http://www.ellymusic.com/top.html

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動画サイトelly ch 「...& smile」
http://www.ellymusic.com/ellych/index.html