ページの先頭です。

3つのスキップメニューです。
このページの本文へ
メインメニューへ
ホームへ

統合失調症~「あたりまえ」に働ける病気

第2回

どんな症状があるのか ~わかってもらいにくいいろいろな症状

「自分が変わってしまった」という苦しさ

統合失調症の人の多くは、10代から20代に発症します。それは「ある日突然」といった形ではなく、2年ぐらい前から、本人や周囲が「何かがおかしい」と気づくようなことから始まっています。たとえば、「明るい人だったのに、最近暗いね」「ずっと元気がないようだけど、どうしちゃったんだろう」などまわりが気づくような雰囲気、また「だるくて、何もしたくない」「朝起きられず、人と付き合うのがしんどい」などの生活パターンの変化なども見られます。この段階で、「うつ病なのかも」などと悩んで病院に行く方もいますが、大半の人は一時的な落ち込みかもしれないと考え、病状を進行させてしまいます。次第に「言っていることが前と比べてヘンだ」「みんなと付き合わなくなった」などの行動があらわれ、「もしかしたら」と病院を訪れるのです。意外に思われる人もいるかもしれませんが、かなり多くの人は「本人の意志」で来院します。「何か苦しい」「今の自分は、前の自分とは違ってしまった」、こんな状況にもっとも苦しんでいるのは、本人なのです。

病院で、「統合失調症」と診断されたときの気持ちはどうでしょう。わけがわからなかった状態が「治療可能な病気」だとはっきりし、安心するという一面もあるでしょうが、そう簡単ではありません。「統合失調症だったんだ」と知ることは、やはり非常に重い経験です。家族や周囲にとっても同様です。「大変なことになってしまった」というのが、正直な気持ちでしょう。事実を受け入れるまでには、かなりの時間が必要になります。

大切なのは回復に向かう期間のサポート

では、どのような症状があるのでしょうか。統合失調症は、幻聴・幻覚など激しい症状のある急性期、意欲が減退し、何もやる気がおきなくなる消耗期を経て、回復に向かいます。統合失調症の症状として一般的によく紹介されるのは、幻聴や妄想です。「自分の悪口をいう声が聞こえる」「私しか知らない秘密をテレビで報道している」などの症状です。しかし、こうした「陽性症状」と呼ばれる症状については、いまでは投薬でかなり改善できるようになりました。その後、意欲が減退し対人関係が難しく、引きこもりがちになります。この時期も、長いトンネルのようなもので本人にとっても家族や周囲の人にとっても、幻覚や妄想の強い急性期と同じくらい大変な時期かもしれません。表情が乏しくなり、周囲の人には本人が何を考えているのかわかりにくい。しかし、本人は実は非常にまわりのことを気にしていて、被害妄想的になっている。何気ない一言に傷ついてしまう。対人関係の障害がはっきりしてきますし、うまく集中できないなど、仕事を実行する力の低下も見えてきます。こうした時期には、リハビリテーションによる治療が効果的になります。

発症から回復まで、早い人なら数週間で経過して、その後、少数ではありますが一生再発しない人もいます。2~3年かかる人、再発を繰り返してしまう人など、さまざまです。激しい症状が起きる急性期については投薬による治療で効果が上がるようになりました。しかしその後、力が戻ってきてから、再発を防ぎ、安定した回復を維持できるようになるまでの期間は、社会への再参加を目指す周囲の理解と協力が必要です。この流れの中で、次回、統合失調症の人にとって、なぜ「働く」ことが重要なのか、お話したいと思います。