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作業所「さくらんぼ」奮闘記-福祉と就労の間で-

第6回

「なぜ作業所改革なのか」

平成23(2011)年度に作業所から事業所に移行するために、昨年は神奈川県の補助金で建物を増築して環境を整えた。いよいよ今度は中身の改革だ。

わが作業所がどの方向に進むのか、障害のある人たちのために何をするべきなのかを、私はずっと考えてきた。

大体の骨格を決め、移行するための勉強も始めたところで、まさかの出来事が起きた。なんと障害者自立支援法が廃案になり、2013年までに新法に移行することが決まったのだ。「福祉サービス費用に原則1割の自己負担を課すのは違憲だ」という原告団に厚生労働相が否を認め謝罪。ここだけがクローズアップされ悪法のように言われているが、この法律の理念は「障害者も地域で暮らす」である。これは障害者の自立を促す画期的な制度である。悪いところは見直して、良いところはそのまま継続していくべきだと思う。

例えば1ヶ月6〜8万円の給与があれば、障害者年金とあわせて何とかグループホームで暮らすことができる。そんな障害者が増えていけば「自立して地域で暮らす」が実現できるのだ。

ただ現実は‥‥作業所の工賃は5000〜1万円。この収入ではとても地域で暮らすことはできない。さくらんぼの利用者もほとんどが生活保護で暮らしている。何より問題なのは、作業所に通う人の中には、訓練することで一般就労できる障害者もかなりの割合でいるということだ。ならば一人でも多くの人を社会に送り出してあげるべきではないか。自立支援法の訓練給付を活かすためにも、作業所が担う役割を自覚し、事業所へ移行すべきと、今更ながら気がついた。

新法がどうなるのか不安はあるけれど、わが作業所は23年度に“就労継続支援B型”と“就労移行支援”へ移行する予定で動き出すことにした。“就労継続支援B型”は、一般就労が困難な人に働く場を提供するサービスで、これまでの作業所と同じ内容だ。“就労移行支援”は一般就労を目指す人に2年間、職業訓練を行う。また、長期の訓練を行い、就職が可能になった場合、その時点で就労継続から就労移行支援に切り替えることも可能だ。

事業は、第1事業(外注の請負仕事)、第2事業(シフォンケーキ+クッキー作り)第3事業(農園運営⇒22年度着手予定)の3つに分けて運営していく。特に菓子工房は収入の要なので、工賃倍増を目標に頑張っていこうと考えている。一般就労に向けた訓練をする人、工房で修行して菓子職人になる人、自分のペースで仕事を続ける人。それぞれの仕事を通して、利用者さんが自分にあった働き方を見つけられるよう支援していきたい。この新しいさくらんぼの出発に向け、これから準備を始めたいと思っている。