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作業所「さくらんぼ」奮闘記-福祉と就労の間で-

第1回

新たなスタート

「おはようございます!」朝の挨拶が終わると、予め決められた担当に分かれて、利用者12名が仕事の準備を始める。ここは座間市の「地域作業所さくらんぼ」。知的障害のある人たちが、高校卒業後に働く場だ。

「今日は、ケーキにはいるんだ〜」と嬉しそうにユニフォームに着替える利用者さん。シフォンケーキとクッキーのお仕事は一番人気。
ほかにも工場からの外注仕事、自主製品の雑貨類の制作の仕事をしている。
お菓子の製造の仕事が始まる3年前までは、外注の仕事がメインだったため、仕事がない日もたくさんあった。しかし、今ではお菓子のオーダーが増え、忙しい毎日が利用者のやる気につながり、ようやく作業所にも活気が出てきたところだ。

さくらんぼは、平成7年より地域の一軒家を借りて運営されてきたが、移転を余儀なくされ、新しい大家さんに作業所を建てていただいて再スタートしたのが平成17年4月。
この作業所建設の設計を私が担当したことがきっかけで、さくらんぼと関わることになったのだが、建設予定地が許可なしでは建物が建てられない地域だったため、様々な手続きを経て完成までに2年かかった。

その後、建設のときに発足したNPO法人の理事として作業所運営にも携わるようになったのだが、ダウン症の娘は当時小学校2年生で、作業所がどんなところなのかもよくわからかった。
しかし、運営会議に参加していくうちに、だんだん色々なことがわかってきた。
仕事が単価の安い単純作業で、どんなに頑張っても利用者のお給料が多くて1カ月5000円であること、しかも1日400円のお昼代は自費なので完全に赤字。
いったいなんのために働いているのだろう!!
このままでは将来像が描けない。と、とっさに思った。

ならば改革しよう!!

強く願うと目的に近づく、とよく耳にするけれど、3年前、まさにそんな出来事がおきた。
市内の社会福祉法人に知的障害者が働くカレーレストランが開業されることになり、施設長よりデザートに出すシフォンケーキを作ってみないかというお話をいただいたのだ。
思いがけないことに戸惑いながらも、「作業所が変わるチャンス!」やってみたいと思った。
ちょうど障害児を持つ親の会の仲間にケーキの先生がいたので、指導はお願いできた。しかし、作業所には当然、保健所の許可をとれるような工房はない。できたばかりの建物を改造するにもかなり予算がかかり現実的には難しい。
どうしよう〜!!そんなとき、ふと外に目をやると、プレファブの物置小屋が目に入ってきた。「これだ!!」リフォームしたらきっと使えると確信した私は、理事会で承認をとり、さっそく設計にとりかかった。
そして、4カ月後小さな工房が完成!!
シフォンケーキの製造が始まったのだった。


4帖くらいの狭い工房


ケーキの先生


シフォンケーキ