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あんこ、千切ってます・・・

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少し前、仕事場に、
この春、特別支援学校の高等部を卒業し
    和菓子屋さんに
就職した<T 君>が訪ねてくれた。

このT 君との
出会いは、彼が、まだ2歳半の頃
 障害を持つ乳幼児の相談と訓練の仕事をしていた妻の所に
お母さんと一緒に相談に来てくれた時からで
 その時、彼が自閉症であることが解り
  それ以後、彼とご両親、我が妻との
格闘の日々が始まった。

途中、彼が6歳の時に
お父さんの転勤で引っ越しをしたものの

3年前に偶然に出会い、お互いに近くに住んでいることから
またまた付き合いが始まり、
お母さんは、工房のギターバンドの
ピアノのボランティアとして
    彼は、工房で開いている創作
教室へ通ってくることになった。

数年ぶりにあった時の彼は、
 ご両親の努力と関わりの成果が実り、
   落ち着いて物事に取り組む集中力も身に付き、
     人とのコミュニケーションもとれるようになっていた。

約3年程の創作教室の色々な取り組みの中で、
  彼は、粘土による物作りに関心を示すようになり
    日々、腕を上げ、作る作品も目を見張るようになってきた・・・

   この頃の彼は、
     他の自閉症の子達と違って
      いつもアニメに出てくるような怪獣?ばかり作っていた。

他の子の作品の一部

95-1 作品01.JPG

拓也君の作品
95-2 絵 拓司.JPG


ご両親の願いもあり、
同じフロアーにある若い陶芸家にお願いし、陶芸の実習もした。

95-3 職場体験.JPG
熱心に実習をしている拓也君

そんなこんなもあり、高等部を卒業する少し前に、
彼と彼のご両親の希望もあり、
  陶芸のような手先の器用さを活かす仕事はないかと探す中
 折良く?、老舗の和菓子屋さんから求人の話があり
   色々と仲介をする中、家から通えることもあり
           めでたく? 就職することがきまった ・ ・ ・

その後も、お母さんから、
 彼が元気に毎日休まず仕事に行っていることは聞いていたが
  忙しさにかまけ、
      様子を見に行っていなかった中での彼からの訪問だった。

久しぶりに会う彼は、
 とても明るくて生き活きとしているように見えたばかりか
  頭にはバンダナを巻き、どことなく着るものもあか抜けしていた。

「毎日、仕事は楽しい?」
「はい! 楽しいばっかではないですが、楽しいです。
          僕がしっかりしないと 親方が厳しいです!」
「どんな仕事しとるの?」
「少し前の、、、2ケ月前から、あんこちぎってます!」

この一言で、

 とにかく教室当時も、
  几帳面で、彼がちぎる粘土はいつも同じ分量・大きさになり
  それが、規則正しい正確さを持って仕上がっていくのに
  いつも感心させられていただけに 
 
何となく私には、
 和菓子屋さんの中で、そんな彼の特性が理解され
    うまく働くことが出来ている気がし、ホッとしました・・・

彼が帰った後で、
 彼がお土産に持ってきてくれたお店の和菓子を

 いつの日にか、
    彼が作ったお饅頭が食べられることを期待しつつ
 
みんなでよばれた・・・・・

とても美味しい気がしてならなかった!!

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プロフィール

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  • ミオ・パパ
  • 28年前に事故で頸損となり四肢の機能を失う。以後、妻の献身介護とリハ工学、支援技術のお陰で社会復帰。現在、重度障害者の在宅就業支援の組織を立ち上げ取り組んでいる。 91年に「明日を創る」三輪書店、出版
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